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免疫力を高める栄養素で攻めの体調管理

「免疫力」という言葉。

近年、多くの方がネットで検索したことがあるのではないでしょうか?

予期せぬパンデミックの到来に世界中がパニックに陥り、なすすべがないと立ち尽くした2020年初頭。冷静かつ的確な情報を発信した医師がいました。

食事やサプリメント、糖質コントロールと言った栄養素医療を用いて、わたしたちの身体を構成する数十兆個の細胞のはたらきを向上させ健康なカラダをつくる、という理念のもと活動する国際オーソモレキュラー医学会の会長を務める柳澤厚生先生です。

未知のウイルスに慌てることなく、「免疫力」を高めるためのライフスタイルで、自分のカラダは自分でコントロールすべき!とおっしゃる柳澤先生に、あらためて免疫力の重要性と、免疫力にはたらきかける3つの栄養素についてお話をうかがいました。



トレーニングと医療のコラボレーション

健康に不具合を感じてから治療する、というやり方はフィットネスの本場アメリカのトレーニングを日本に導入したトータル・ワークアウトが考える「健康」から考えるとかなり遠回りだというのが常日頃から池澤智が抱いている印象。

アメリカの医療保険は非常に高額なため、病気になってから治療、ではなく、病気にならないためのカラダづくり、というものが優先されるからです。

これは医療費に不安を抱く低所得者に限ったことではなくエグゼクティブも同じ。治療するための金額云々の問題ではなく、時間やカラダをいかにセルフマネジメントできているかを自身のカラダで体現することがビジネスの場でも重要視される傾向にあるからです。

そこで池澤智は、ワンランク上の健康と美しいカラダを手に入れるために、トレーニングのスペシャリストであるトータル・ワークアウトと、各医療分野の第一人者が手を組み「今よりもっと健康で美しく、アクティブな生活」を手に入れるためのオーダーメイドパーソナル・プログラム「ANTI AGING MEDICINE PROGRAM(アンチエイジングメデシンプログラム)」を2012年にスタートしました。

トレーニングを医学的にサポートするプログラム、略してAAMP。中心人物としてこのプログラムを牽引したのが、今回「免疫」について教えてくださった柳澤先生です。

柳澤先生もまた、最先端医療を持ち合わせていたとしても、メディカルケア単体ではできることに限界があると考え、治療だけでなく食事や運動といったライフスタイルからのアプローチが重要である、ということを長年提唱しつづけています。

オーソモレキュラー・アンバサダー

国際オーソモレキュラー医学会をご存知でしょうか?カナダに本部を置く、栄養療法で病気の予防と治療を行う専門家の国際学会です。

この学会で2012年から2022年現在まで会長を務める柳澤先生はトータル・ワークアウトの会員として長らくトレーニングを続けられている一人。専門分野である栄養素に気遣うだけでなく、池澤智のトレーニングでカラダを外側からも整えています。

池澤智もまた、カラダを変える為にはトレーニングだけでなく食事管理が非常に重要である、ということを20年以上前から説いています。その基盤はアメリカのダイエットメソッド。

ちなみに、「ダイエット」を辞書で調べると「正しい食事法」と記載されています。こんな体型になりたい、こんなライフスタイルを送りたい、という目的に対しての「正しい食事の方法」を「ダイエット」と呼ぶのです。決して「食べない事」「体重を減らすこと」ではありません。

アメリカのダイエットメソッドを日本人向けにカスタマイズしたり、ひとりひとりの状況に応じて微調整するためには栄養素を1つ1つ理解する必要があったと池澤智は言います。栄養素を突き詰めていく過程で、分子栄養学のスペシャリストである柳澤先生との出会いがあり、先生よりエビデンスを伴う最新の栄養学を日々吸収し続けています。

柳澤先生は、池澤智のトレーニングを受ける中で、池澤智が栄養素に精通しているだけでなく、運動と栄養を連携させた相乗効果を数多く打ち出している事、またその時々の社会情勢や顧客の状態に合わせてピンポイントで栄養素を選択出来ていることに感銘を受け、その実績から2021年には池澤智を日本オーソモレキュラー医学会のオーソモレキュラー・アンバサダーに任命。

オーソモレキュラー医学会とトータル・ワークアウトは、医学×トレーニングの相乗効果で互いに進化を続けているのです。

– 2022年9月開催のシンポジウムでは池澤智がアンバサダーとして講義を行います –

免疫力

前置きが長くなりましたが、今回の本題は「免疫力」

未曾有の事態に人々が右往左往する中、柳澤先生は非常に冷静に、「医療者として、先人の科学者や賢人が伝えた知識と経験をつたえなければいけない」という使命感から情報を発信されました。

「そもそも昔からインフルエンザに罹りやすい人と、そうでない人がいる。その差は免疫力。
免疫力が高ければかかりにくいもしくは、かかってもすぐ治る。これは身近な風邪のウイルスでも、未知のウイルスでも同じことです」

免疫力をアップするために必要な4つのことをあらためておさらいしましょう

  • 運動
  • リラックス(ストレス削減)
  • 睡眠
  • 食事・栄養

バランスのとれた食事、という表現は間違ってはいませんが、

目の前の不安に立ち向かうために本当に必要な栄養素は何かをより明確に伝える重要性を感じた柳澤先生は、2020年1月、パンデミック発生から1ヶ月もたたないうちに国際オーソモレキュラー医学会を通じて新型コロナウイルス発症予防のために推奨する栄養素の種類と摂取量の目安を発表しました。

コロナウイルス発症予防のための栄養素

新型コロナウイルス発症予防のために必要な栄養素の種類と推奨量はずばり、以下の通りです。

  • ビタミンC 3g /日
  • ビタミンD 2000UI(50㎍(マイクログラム)/日
  • 亜鉛 20mg/日

これ以外にもいくつかの栄養素がありますが、メインはこの3つ。

必要でありながら、欠乏しやすいこの3つの栄養素にまずフォーカスすることを推奨しています。

ビタミンC・ビタミンD・亜鉛は3つの栄養素が相乗的に作用することで、細胞間の隙間をしっかりシールし、ウイルスが侵入できないようバリア機能を高めているのです。

感染予防はもとより、万が一感染しても重症化しないための「攻めの体調管理」には、免疫力アップのライフスタイルに、上記の明確な栄養素を追加していただきたいものです。

サプリメントの設計を多く手掛ける柳澤先生。コロナ対策として積極的に摂りたい栄養素について多くのアドバイスを求められ、ついにはご自身で質もバランスもベスト・オブ・ベストのサプリメントを設計されたとのこと。

セミナー参加者におすそ分けしてくださいました。

ビタミンC点滴のパイオニア

柳澤先生は実はアンチエイジング界でビタミンCの重要性を説き、高濃度ビタミンC点滴を世に広めたパイオニアです。

厚生労働省が定めた基準となる推奨量は成人で一日100㎎ですが、これは健康維持のための必要最低限の量。ストレスや大気汚染など、ビタミンCを多く消費する現代人は少なくとも1日1000mg以上の摂取を柳澤先生は推奨します。

特にこのコロナ禍で免疫力を意識する場合には3000mg(3g)/日が目安となります。この根拠は、ウイルス性呼吸器感染に対する過去の研究で導き出された数値を参考にしています。

哺乳類の中でも我々人間は体内でビタミンCを作り出すことができないため、食事やサプリメントから摂取する必要があります。

仮にビタミンC1000mgを市販のオレンジジュースから摂取しようとすると約60杯飲む必要があり、明らかに糖質過多になってしまいます。

人間以外のほとんどのほ乳類は、食事によって得たブドウ糖からビタミンCを合成できる上、ヤギは病気になると健康な時の10倍以上、約100,000mgものビタミンCを体内で作り出すことができるそう。なんともうらやましい限りです。

― 後ろで聴講していたパーソナル・トレーナーもメモを取りながら真剣に話をきいていました ー

ステイホームがもたらした弊害

免疫の土台をつくるビタミンDは別名サンシャインビタミンと呼ばれ、太陽が放つ紫外線が皮膚から吸収されたときに体内で生成されます。

ということは、パンデミックで余儀なくされたステイホームは免疫の観点から見ると好ましくない策。ステイホーム中でも散歩するなど、太陽の光を浴びるために外に出る必要がありますが、そこは真面目かつ美白信仰の高い日本人。

家に閉じこもることで、ビタミンDが欠乏し、免疫力の低下や、精神的に気分が落ち込む人の多さが問題視されました。

実は、コロナ禍に関係なく、もともとビタミンDの血中濃度が正常値な人は3割以下。非常に不足しやすい栄養素なのです。

ベストは太陽の光にあたることですが、日焼けによる皮膚ダメージを懸念する人は「手のひらだけ日光浴」にトライしてみてください。夏場であれば30分~小1時間。

日焼けが大の苦手な池澤智も「手のひらならば・・・う~ん いいか・・・」と悩みつつも首を縦に振っていました。

不足分は食べ物や、サプリメントを活用して補うことをお忘れなく。

ウイルスの増殖を抑える亜鉛

何億年という間に築きあげられた人間の免疫システムは素晴らしく、亜鉛には免疫細胞の働きを活性化させ、ウイルスの増殖を抑える作用があります。

アメリカではトランプ大統領がコロナに罹った際の治療内容が公開され、そこは亜鉛もしっかりと記載されていました。

精製された穀類や、加工食品を多く口にする現代人にとってはコロナに関係なく不足しがちな栄養素である亜鉛。ビタミンCと一緒になることでその効力をさらに強いものにします。

余裕があればマグネシウムとセレンも摂ると尚良し。

正しい情報と知識がもたらす自信

WHOのテドロス事務局長が発表した2020年3月のスピーチの中でも

  • 運動
  • リラックス(ストレス対策)
  • 睡眠
  • 食事・栄養

の重要性が明確に語られていました。

日々の感染者数や病床ひっ迫率をニュースで流し続け不安を煽るよりも(危機管理能力に働きかえる目的もあったのでしょうけれど)、予防や治療に役立つ前向きな情報を伝えることの必要性について考えさせられました。

どのようなウイルスが表れても、治療法が確立されていようがいまいが「自分自身のために出来ることは不変。」と柳澤先生はおっしゃいます。そのための正しい知識を伝えるのがスペシャリストの役割であり

われわれ一人一人も、正しい情報をキャッチするためのアンテナはしっかり備えておきたいもの。

池澤智はコロナ禍においても、柳澤先生を始めとするスペシャリストとのネットワークを通じて、正しくかつ前向きな情報を入手できたことで、まずは自分自身が必要な栄養素を摂って整えられているという自信が得られ、それにより経営者として、ジムの会員様や社員のことを気遣うことができたと言います。

人生の先行投資

イギリスが国家予算を投じて進める認知症を予防する為のプロジェクトに関わっている柳澤先生。最新の認知症予防医学に関する情報もセミナーの中で共有していただきました。

無料で受けられる検査を通じて、ライフスタイルのどういった部分を改善すれば、10年後20年後30年後に認知症になりにくいかを具体的にチェックできる携帯アプリが年内には日本語版化されるとのことで、楽しみです。

コロナになりたくない人も
認知症になりたくない人も
心臓病になりたくない人
いまよりもっと健康になりたいという人も

実はやるべきことの根幹は皆一緒。
免疫力を高めるライフスタイルを実践するか否かで10年後の自身の見かけにも中身にも表れます。

自分のカラダは自分でコントロールする!コントロールできている!!という自信は、ストレスに打ち勝つココロの栄養にもなるのです。

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